不動産投資で使われる積算価格・評価という言葉ですが一体どのようなものなのでしょうか?
- 積算評価って大事なの?
- 積算価格ってどうやって計算するの?
- なんだか難しそう・・・
では、積算価格はどういうときに使われて、何のために計算されるのでしょうか?
また、計算はどのようにされるのでしょうか?
この記事では、はじめて積算価格という言葉を聞いた人が迷うであろう全てを解説しています。
積算価格とは「金融機関で融資を受けるために大切」な指標
まず積算価格を学ぶ前に知っておくべきことがあります。
それは、積算価格というのは金融機関で融資を受ける上で絶対に大切な指標です。
不動産は大きな融資を受けますがそれが可能なのは不動産自体に担保力があるからです。
その担保力によって大きな融資を可能にしているので収益は二の次です。なので積算価格は非常に大切なのです。
積算価格の内訳
積算価格の内訳は土地と建物に分けられます。
土地と建物を合算した時に不動産全体の積算価格が出てきます。
さらに土地と建物について細かく見ていきましょう。
土地の計算方法
土地の価格は下記の計算方法で算出されます。
路線価の探し方
路線価は国税庁が決めた土地の評価額です。
探し方を順番に説明していきます。
まずは国税庁のホームページにいきます。
①知りたい都道府県をクリックする。
②路線価図をクリックする。
③調べたい区市町村をクリックする。
④調べたい町名の右側の数字をクリックする。数字はどれでも良いです。
⑤地図上の道路に記入されている数字が路線価で、単位は千円/平米です。
対象物件に隣接する道路にある数字で最も大きい数字を路線価とします。
例えば図の対象物件の路線価は1,770千円/平米で1平米当たり177万円です。
もし、100平米の大きさなら1億7,700万円になります。
土地の評価係数
土地の評価は面積と路線価と評価係数で決まります。
評価係数は下記2つの視点があります。
- 都市計画法による用途地域による評価係数
- 土地の形状等による評価係数
都市計画法による用途地域による評価係数
- 商業地域、近隣商業地域 +10%
- 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域 ±0%
- 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域 -10%
- 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域 -20%
- 準工業地域、工業地域 -30%
用途地域により建物の制限があり、制限が最も緩く利用価値が高いとされる商業地域から順に係数が下がってきます。
土地の価格に係数をかけて土地評価額となる。
土地の形状等による評価係数
土地の形状によって評価が変わります。
土地は道路に接地している数が多い方が評価が高いです。
形状は正方形が良く、特殊形状になると評価が下がります。
建物の計算方法
再建築価格
- RC:15〜20万円
- 重量鉄骨:13〜18万円
- 軽量鉄骨:10〜15万円
- 木造:10〜15万円
再調達価格に延べ床面積と耐用年数に対して何年残っているか残存年数をかけて計算します。
耐用年数
- RC: 47年
- 重量鉄骨:34年
- 鉄骨:27年
- 軽量鉄骨:19年
- 木造:22年
建物の評価は金融機関によって違いますが参考程度に考えてください。
土地の評価はどの金融機関も大きな違いはありません。
以上を踏まえて、土地と建物の価格を合わせて積算価格とします。
あくまでも目安で実際の金融機関の目線はこれよりもだいぶ厳しくなります。
特に建物に関しては指数関数的に価値が下がっていくような計算になっているところもあります。
一方で土地は誰が買っても同じような価値があるため似たような価格になります。
積算価格を実際に計算して比較してみよう!
例1 鉄筋コンクリート不動産の積算価格
下記のような不動産の積算価格を計算します。
- 敷地面積:1,000平米
- 路線価:100千円
- 建物面積:1,000平米
- 建物構造:鉄筋コンクリート造
- 築年数:20年
不動産投資博士というページが使いやすいので紹介します。
不動産投資博士の積算評価計算シミュレーターに1から5の数字を入力します。
数字を入力し終わり「計算する」を押すと結果が下に出てきます。
積算価格は21,707万円なので、これ以下の価格で購入するとお手頃な価格という判断になります。
例2 木造不動産の積算価格
例1と同じように不動産投資博士で計算します。
- 敷地面積:1,000平米
- 路線価:100千円
- 建物面積:1,000平米
- 建物構造:木造
- 築年数:20年
例1の鉄筋コンクリートでは同じ条件で建物価格が11,707万円なのに対して木造は1,441万円で1/8程度に安くなっています。
木造が安い要因は鉄筋コンクリートの耐用年数が47年、木造が22年ということと、再調達価格が19万円と13万円という理由があります。
要するに鉄筋コンクリートの方が木造に比べて長持ちで高級品ということです。
例3 都心部の鉄筋コンクリート不動産の積算価格
都心部の不動産の積算価格はどのようになるでしょうか?
路線価は高くなりますが、敷地面積が小さくなります。
- 敷地面積:100平米
- 路線価:1,000千円
- 建物面積:1,000平米
- 建物構造:鉄筋コンクリート造
- 築年数:20年
路線価が高い狭い土地に縦長のビルが建つイメージで都心型です。(左図)
例1のような路線価は低いが広い土地に横長のビルが建つイメージが地方型です。(右図)
金融機関での積算価格の使われ方
金融機関では上記の積算価格の計算方法と固定資産税評価額を使用するパターンがあります。
積算価格を計算する方法は銀行独自の計算方法があります。
土地は評価係数がかかりますが大きく変化することはありません。
建物は積算評価とは極端に違うことが多くあり、大抵は金融機関の評価が小さくなります。
一方で固定資産税評価は数字が出ているのでわかりやすいです。
固定資産税評価の何倍までなら融資がつくという評価方法です。
不動産融資を多く取り扱っているところはノウハウが蓄積されているので積算価格の計算を使うことが多いです。
積算評価の方が評価が出やすい傾向にあります。
どうやって不動産投資を始める?
不動産投資は一度で大きなお金が動くので詐欺も多いですし、何よりも不安になるものです。そんな時に、アドバイスをくれたり背中を押してくれる人がいることはとても大事です。
ようすけ不動産ではコンサルティングも受け付けています。
詳しい内容はお問い合わせフォームのタイトルに「コンサルティング詳細希望」と入力し送信いただければメールにて回答いたします。
まとめ
積算価格を計算して物件価格と照らし合わせて、物件に担保価値がどれだけあるか推測しながら購入を検討することが金融機関攻略には最も重要になります。
都心で物件価値があるとか、駅近で客つけしやすいなどは投資家目線で金融機関を攻略するには積算価格があるかないかで判断することが重要になります。
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